ポンコツ店長の奮闘記

店長の日々の出来事や葛藤の日記にしていきたい

売るから優秀とは限らない

テンチョです。



アパレル業界はとても間口が広く、様々な目的や理想を持っている人がいます。
老若男女問わず同じフロアまたは隣のお店、同じお店で働くことになります。



同じメーカーでも異動先によってはテンチョ以外20代前半のスタッフばかりだったり、皆自分より年上のお店で、急に新卒が入ってきたりします。


様々な境遇の人たちと折り合いを付けながら働かなくてはなりません。


それはどの会社も一緒ですが、商業施設内の隣の店や同じフロアの店となると話は変わってきます。
実際取引先でもなく、どちらかというと競合企業。
しかも隣となると超競合。


でも、喧嘩してるとレジで戸惑った時やトイレなど、お互いに助け合うことが出来ません。


それはとてもハンデです。


そういった絶妙な人間関係の中で鍛えられたある一定の人間は世渡りがとてもうまくなり、人たらしのようになっていくのです。



私のいる商業施設では様々な品目の物販企業が入っており、その店舗関係も様々です。




私は不動産やクルマなどの私にとって高額品を購入する場合、信用できる人柄であることを前提に、出来れば成績の高い人が担当になって欲しいと思っています。


特にこういったものを扱うには商品以外にもローンや保険といった切手は切り離せない付属商品を説明しなければなりません。
ある程度の知識は必要となるでしょうし、ちゃんと説明できるからこそ信頼も勝ち得るし、仕事ができる人なのではないかという予想の下でお願いすることが多いのかなと。


いちいちローンや保険のことで「詳しい者に代わります」では話にならないと思ってしまいます。




ですがアパレル(に限らないとは思いますが)は商品知識以外に必要なものが少ないです。
むしろそこさえなくても、お客様が気に入ってさえいれば買ってしまうことも多いです。


通称『売り専』と呼ばれ、販売を得意とする一方で、事務作業や付帯業務をやらない契約、もしくはただやらない人をそう呼びます。
契約上そうならばそれは仕方のないことです。


しかし契約とはいえそれをやらないという事は、出来ないまたは苦手としているのは明らかです。
そうなると一般スタッフからすると「はたして同じ土俵に立っているのか?」という疑問が成り立ちます。



こういったスタッフを抱える店舗の管理職は、そういった人を評価する人としない人がいます。
結果主義の人は評価するでしょう。
人員主義の場合評価しないでしょう。


ここで問題なのは会社は売上という結果でしか基本的には評価しないという事。



テンチョの結論は評価してよいという考えです。
もうね持ち上げるだけ持ち上げればいいんですよ。
つまり利用すればいいって話です。


『売り専』は結果主義とはいえ、ほとんどの場合どんなに売っているからといっても人望はありません。

偉そうに先輩面されても、後輩からしてみれば「そもそも業務は私がやってあげてる」という気持ちが湧くからです。


ではその状況は平等に扱われているのか?

A.平等です。というか評価軸が違うので、平等に扱うことはできませんが、評価は平等ということ。


何故かというと、そういう人は基本的に評価のベースが低いからです。

低いからこそ結果のみでリカバーするんです。


『売り専』なのはその人にも自覚があるのです。

あえて付帯業務を放棄するのです。

自身で事務作業から逃げているのです。


人には得手不得手があるのは当然で、そのスタイルを良いとか悪いとか評価することはできません。

ですがこういった役職にはある程度限界があります。


常に目標額が膨れ上がっていつかパンクするのです。

そして転職となりまた違うメーカーで同じことを繰り返します。


売り専が売り専として評価された瞬間に、評価が頭打ちになります。

評価は頭打ちになったのに、目標額は青天井。


ですが、よくよく考えてみれば、よく売って事務仕事もこなすならばどうでしょう。

ベース評価が高く、更に結果も出すことが一番ですよね。


同じ店に両者が同居し、『売り専』が売り上げで負け始めるとヤバイことになります。

ベースが低い&結果も出せなくなるとお荷物扱いされてしまいます。



テンチョ個人の気持ちとしては『売り専』とかいうふざけたスタイルが嫌いなので、スタッフ時代は数人潰してきました。


ガチンコでは勝てないこともあったので、姑息な手もゴリゴリに使って、大人げない大人になることもありましたよ。


業務ができない(敢えてしないのは出来ないと同義と見なす)ということは、小手先のアイデアや計算的行動も苦手な人が多いです。


感覚だけで動いているので、わりと簡単に罠にはまります。




そして今は利用する側となりました。

搾るだけ搾り取り、若手が台頭してくるとサヨウナラ。


アパレル業界で渡り鳥のように沢山のメーカーで就職経験がある人は、経験値が高そうに思われ勝ちですが、やや怪しい気がします。



いまだに若い世代でもそういう人を見かけるので、世代を越えたスタイルなんだなぁ~

なーんて思いながら、昔の自分の姑息さやズルさを思いだし恥ずかしくもある今日この頃でした。



以上です。