ポンコツ店長の奮闘記

店長の日々の出来事や葛藤の日記にしていきたい

逆接待

好き嫌いが多いテンチョです。


このアパレル販売の業界において、お客様を接待するようなことは殆どありません。
あったとしてもコーヒー一杯とか、店頭でのドリンクサーブくらいなものです。


基本的に店舗に対して、お客様を接待するような予算は組まれておらず、例えばほんの少しの予算を使うにも厳しい稟議書が必要です。


そして少しの予算ではお客様を(明らかに我々よりお金持ちなことが明白です)満足させることなどできやしません。



むしろ逆なのです。
お客様がスタッフを強引に連れ出し、食事を楽しんだりするのです。


昨日も13時ころから一人のスタッフが1時間半拉致されました。



高級なウナギを食べたそうです。



テンチョも何度もお客様と食事を共にしたことがあります。
大抵は戸惑うことだらけです。
だって、こちとら一介のサラリーマンですよ。




京懐石の美濃吉に連れて行ってもらった時には、テンチョが苦手な酸味が沢山出てきて、更に葛餅が出てきたときには、どう食べていいのやら訳が分かりませんでした。


具体的に言うと、お椀に葛餅がイカそうめんのように刻まれてクラッシュアイスとともに入っているのです。
そのお椀の上に黒蜜の浅いお皿(ざる蕎麦で麵つゆの器の上に薬味が入った浅い器のような)が乗っている状態なのです。



テンチョはこの黒蜜を葛餅が入っているお椀にかけることにしました。
間違っていては恥ずかしいのでお客様に見えないようにひっそりと。


それを脇に置いてあった小さなスプーンで食べようとすると、全然食べることが出来ません。


見かねたお客様が、「スプーンでは一生食べれないよ(笑)、箸で食べな。」だってさ。
それでいてそのお客様は箸で葛餅を掴み上げ、黒蜜の器に浸けて食べました。


は?そんなバカな!もうかけちまった!
テンチョは薄っすくなった葛餅をなんとか食べました。




ぼてじゅうに呼び出してくるお客様もいらっしゃいました。
とても可愛がっていただきましたが、食事の誘いだけがなかなか苦しくて。
ありがたいんですけどね。


元ラグビー選手で食べる人を見るのがとても好きなのです。


ぼてじゅうに呼び出しの時は、すでにサーロインがテーブルに沢山乗っている状態です。
美味しくてモリモリ食べていると、どんどん追加。
椀子そばじゃないんだから!大体ぼてじゅうってそういう店だっけ?


鉄板焼きが大好きで、高級鉄板焼き連れて行ってもらった時。
アレあるじゃないですか。ドーム状の蒸し焼きにするような金属のボールをひっくり返したような蓋。



アレが開いた瞬間、驚愕の光景でした。
あの蓋の中に山ほどのサーロインのサイコロステーキが入っていたのです。
「驚くと思ってさ👅」だってさ。
ここはそういう店じゃないでしょ!と思いながら、皿に平たく盛られたライスとともに、フォークとナイフで一生懸命食べました。




お客様にお誘いいただくことは、とてもありがたいお話です。
何と言っても、お店でお金を使っていただいて、更に食事代を出して頂くなんて、本当に感謝しかありません。


感謝しかないを前提に申し上げます。
これ、こちら側からすると商売に殆どメリットが無いのです。
これによって絆が深まることもあるとは思うのですが、今まで以上にお店でお買い物するということは無いんですよね。


この店舗で買っていただけるという繋ぎ止めの効果はありますが、一方でこれによって行く行く大クレームになったケースを何度となく目撃してきました。


「あんなに良くしてやったのに、なんで俺を優遇しないんだ。他の客と平等に扱うな。」といった内容が殆どです。
お客様としては商品を買うお金以上に、お金を使っているのですから、そういった心理も当然なのかもしれません。。


しかしお店側からすると余計に金を使ったのは、あくまでその可愛がっている個人であり、お店にお金を使っているわけではありません。


そういった行き違いがあるため、基本的に店外でお客様と会うことを禁止にしている会社が多いです。




接待の善悪は抜きにして、本来こちらが接客すべきお客様なのに、逆転してしまっいてるのでトラブルも当然かもしれません。



そんなことを言いつつ、昨年の正月にお客様のご自宅にお邪魔し、寿司を山ほど頂いたテンチョです。



以上です。