ポンコツ店長の奮闘記

店長の日々の出来事や葛藤の日記にしていきたい

色落ちを愛せるか

テンチョです。



生地の鮮やかな色や濃い色は色落ちする傾向にあります。


移染という色が他の物に移ってしまうことや、色泣きという滲み、退色という経年による色あせなど様々な弊害を引き起こします。


それを防ぐのは非常に難しい課題です。


何せ素材に色を入れていくわけですから、出ていくのも当然です。
元から青い綿花や赤い羊などがいるわけではないので。


日本人の特性としてモノを精度よく長く保つことに重きを置く特徴があるので、儚く新品状態を維持できないことを嫌います。


藍染は綺麗なことは認めますが、移染が怖くて使わない方も多いでしょう。
分かっててなお使わないという選択です。



かなり販売する側の言い分になってしまうのですが、それを許容して使ってほしいというのが、輸入品(特にヨーロッパ)を扱う者の願いです。
変化を楽しむ。
色移りしたか分からない濃い色とともにコーディネートする。
そんな楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。



このジーンズは同じ生地で同じ製法で作られましたが、グリーンの方はオーバーダイという手法で仕上げられました。



オーバーダイは新品ジーンズのビンテージ感を出すのに主に使われています。
ブルージーンズが少しだけ黄色(茶色)っぽくなっているのは、オーバーダイで後から染めて深みを出しているのです。


製品にしてから染められます。
つまりジーパンの状態にしてから染め上げられるのです。

こんなに緑に染めてしまったらさぞや色落ちするだろうと思ったそこのあなた!
正解です!!
雨にぬれたり洗濯してしまったら色が褪せてきます。
擦れるだけでも色落ちします。



しかしこの絶妙なニュアンスは後染めでなければ出せないのです。
新品から変化することを決して劣化として捉えるのではなく変化として捉える。
使用と共に徐々に青いジーパンになっていくもの楽しんでみてはどうでしょうか。


それを嫌い過ぎると、鮮やかな色の生地を避けることになり、ダスティなカラーばかりになってしまいます。
くすんだ色にも魅力はありますが、それのみというのは少し寂しいです。


鮮やかな色には人を元気にしたり自信をくれたりする力があります。


派手という言葉にはネガティブが多く含まれます。
華やかに着飾ることは決してネガティブなことばかりではない筈です。
そしてそのものが変化してしまうことも楽しむ。
移染に配慮しながら。


度合いにもよりますが。



以上です。