ポンコツ店長の奮闘記

店長の日々の出来事や葛藤の日記にしていきたい

会長の嘆き

テンチョです。


昨日長年ご愛顧いただいている通称『会長』が来店されました。
御年83歳の現役社長で、私も昔全く違うメーカーでお世話になったことがあります。

要するに業界が狭く、販売員もそうですがお客様も被ることがあるのです。


私のお世話になっていた頃はオーナー社長から会長になった頃でした。


今は自身の立ち上げた会社の会長も退き、新たな会社の社長となっています。


肉体も脳みそもバケモノ級に元気です。


昨日は午前中ゴルフに行き、午後に我が店舗に訪れ、更にゴルフ練習をして帰るとの事でした。



接客雑談時に「俺はそろそろ居なくなるが、日本の経済が沈没しないか心配だ」と。


店「どういうことですか?」


会「日本は技術力が高いと日本人はいまだに思っているでしょ?」


店「はい」


会「だからよくない。その技術も遅れている。半導体も液晶もバッテリーセルも全てアジアに持っていかれている。」


店「いざとなれば出来るなんて甘いもんじゃないってことですか?」


会「F1でもホンダが復帰して足掛け何年もかけてようやく今年メルセデスに並べるようになったところだ。ブランクはそんなに直ぐには埋まらない。トヨタもホンダも日産もエンジン作らなくていいなら電気メーカーの方がいいモノ作れる。」


店「ではどんどん日本はモノを生み出せなくなってしまいますね。」


会「台湾の半導体メーカーの工場が近く日本に出来るらしい。日本政府はそれに補助金を出し、ソニーはその土地を明け渡す。」


店「外国資本なのにですか・・・。」


会「日本メーカーにもっと補助金出してあげなきゃ。だから日本メーカーは技術を売り飛ばしちまったんだ。」


店「食や漫画カルチャーはどうでしょう。」


会「面白い文化ではあるが、異国が必要とするモノではない気がする。」


店「確かに。医療はどうでしょう?」


会「ワクチン1つまともに作れていないのに?ノウハウがあれば作れると聞いたこともあるが、そのノウハウこそが技術力そのものなんだよね。」
「made inジャパンはコストが高いが、そのコストをmade inチャイナに注いだらもっといいモノ作ってくるだろうよ。高いからいいモノは当たり前。」


店「農業はどうでしょう。外国には真似できない自然環境という武器。」


会「俺は農業こそこれから日本が力を入れるべきと思っている。コシヒカリやあまおうや佐藤錦など、もっと様々な品種で安心安全のジャパンメイドで手に入ることは貴重。」



会長も全ての内情は知らないとは思いますが、危機感を覚えたのも確かです。
全て真に受けるつもりはないのですが、テンチョよりよほど優秀な脳みそを持ち合わせ、店舗以外で知り合うことなどないくらいの身分の人の意見が聞けることは、とても貴重でこの職業の醍醐味とも言えます。



そう思いながら外国資本の会社から給料を頂戴しているテンチョでした。


それにしても「あれはどうでしょう?これはどうでしょう?」と尋ねるだけの自分に情けなくなります。




以上です。