ポンコツ店長の奮闘記

店長の日々の出来事や葛藤の日記にしていきたい

折柄とプリント柄

衣替えで汗ばんだテンチョです。



折柄をジャカードと表現します。
今から200年以上前に発明家が自動織機(しょっき)を発明しました。


よくジャガードと表現されるのを散見しますが、綴りが『Jacquard』なのでジャカードで間違いなさそうです。


折柄の良さは凹凸で柄を表現していることです。
当然糸の色を変えれば白場にピンクの花柄を表現できますが、それより折柄の良さはトーン×トーンの陰影柄だと思っています。


平織に比べるとやや厚みは出ますが、しっかりとした生地感という考え方も出来ます。


最近(?)ではグラデーションなども見かけるようになり、より一層の折柄の幅の広がりを感じます。

微妙なニュアンスを横糸でしっかり出せていて、尚且つ柄はシャドーで地の生地と同一色というのがニクイですね。
しかし拡大すると横糸がガッチリ見えます。
本当に繊細な柄は出せないことが分かります。





一方プリントは更に繊細な柄を表現できます。

地の目が緻密であればあるほど細かく描けます。
プリントはキャンバスに絵を描いているのと変わらない状態ですので、実線がかすれたり、重ねる染色なども得意とします。
水墨画のようなプリントさえできますね。
基本的に染料でのプリントは退色するので、購入時より鮮やかさや明るさに物足りなさを感じるかもしれません。



アパレルで使われるプリントとしてもう一つ代表的なのが顔料プリントです。

パーカーなどのレタリングで使われる技法で、染料のように生地に色を染み込ませるのではなく、表面に付着するイメージです。
キレイで鮮やかな色を出せるのが特徴です。
摩擦や劣化が起りやすく剥離や破断などが起りやすい性質もあります。




当然これらは組み合わされて使われることも多いですし、折柄の一部にポリエステル糸を使って、その部分だけは染料が入らないようにする染め分け技法なども使われ、より面白い組み合わせが楽しめます。


例えばブロックチェック柄に織り上げて、市松模様のようにプリントが隠れん坊する感じです。



特に染料によるプリントはメーカーの使っている工場の技術の善し悪しが分かりやすいです。
一見キレイな柄と色遣いが得意なブランドでもよく見てみるとプリントが結構汚いといった事が結構あります。


また、プリントは縁取りをハッキリとさせることだけが良いわけでもありません。

時にはぼかすことでコントラストを弱め、強い色同士を使っているのに調和がとれるといった技もあります。




一見のキレイさはもしかしたら様々な技術に裏打ちされたものなのかもしれません。
細かく見てみるのもなかなか楽しいですよ。



以上です。