ポンコツ店長の奮闘記

店長の日々の出来事や葛藤の日記にしていきたい

対面販売の楽しさ

いらっしゃいませテンチョです。



※今回若干自画自賛とも受け止められる内容になってしまいました。不快に思われたら申し訳ございません。



昨日の出来事


昨日お客様が一組、私指名でご来店されました。

私は今の店舗に異動してきてから約1年半が経ちます。
異動後の殆どがコロナ禍ということもあり、あまり頻繁に接客するケースが少なかったのです。


既存スタッフがご案内しているお客様へ挨拶したり、時には一緒に接客したりということはあるものの、単独でのお客様は指で数える程度の接客数。


そういったことで現店舗で私を指名するお客様はとても珍しいのです。
店頭に出てみるとつい先日の閉店間際、私が接客しネクタイをお買い上げいただいた30代のカップル。


態度はカジュアルですがとても丁寧でノリのいいお二人。
お買い物を楽しんでいる印象でした。


「先日とても楽しかったから、また来ました。」とのお言葉を頂戴しました。
と、同時にそのときの接客の情景を思い浮かべ恥ずかしさも込み上げてきました。


実は一度目の接客は閉店間際という特殊な時間帯だったこともあり、私以外のスタッフがバックヤードで閉店作業をしていたのです。



他のスタッフが見ていない状況と、上品だけどノリのいいそのカップルに甘えて、相当ふざけた接客に挑戦したのです。



一例だけ出しますと、ご覧になっていたネクタイを「生地がチャイナドレスみたいでとてもセクシーです。」と発言した記憶があります。
全体的には丁寧にご案内しましたが、ワードで度々少し毒を強めに冗談を入れました。
後に少しふざけすぎたと反省しました。



そのお二人がまたいらっしゃっていただいた。
しかも真昼間の他のスタッフがいる前で、あの時の接客が期待されている!
や、やるしかない。



「本日はキャプテンアメリカコーディネートのお買い上げありがとうございました。」
と、丁寧にお辞儀してお見送りいたしました。
男性は青いシャツに鮮やかな赤と青の柄に少し白の混ざったネクタイを、女性はザックリ編みの白いサマーセーターをお買い上げいただきました。



フォロースタッフは唖然(私もスタッフがその接客をしていたら同じ反応でしょう)。
私は冷や汗。



これ…いつか地雷を踏むと思います。あとハードルが上がり続けます。
特にこのスタイルは、お客様の反応を伺いながら発言するのではなく、思い切った発言をしてお客様の反応を伺うので、本来真逆の発想なのです。


今後お二人へのキラーワードは無くさないまでも少なくしていこうとは思います。


因みに私生活は毒ヤローなので悪しからずご了承くださいませ。




接客業の楽しさ

前置きが相当長くなりました。


人が対応する温かみというありきたりな一面があります。
でも楽しさというと少し違います。


コチラの立場からすると、私のような一介のサラリーマンが、年収〇千万円といった方とプライベートでは出会いません。
でも、そんな方を少し弄りながら楽しく談笑する、比較的対等な状態で(実質的には全く対等ではない)お話しすることはとてもいい経験で楽しいです。




お客様の様々な境遇の違いもまた興味深いです。


あまり詳しくは言えないですが、全盲まではいかないまでもかなり視力が悪いお客様がいます。
1人で歩いていると電柱に激突してしまうくらいの視力です。
ある日、その方に明るいピンクのブラウスに合わせるジャケットは、どんな色がいいかという相談を受けました。
ご本人は買ったものを殆ど見えていません。
見えてなくても可愛らしく服を着たいという欲求はあるのです。
当たり前ですよね。
私は未熟者なので、そういったことで気付かされるのです。






本日のワンポイント

お節介にもアパレル業として簡単な知識ひけらかし場として使ってます。


本編でも登場したキャプテンアメリカ。
キャプテンアメリカはそもそもは星条旗のカラーです。
青・赤・白のコーディネートからそう表現したのです(本当は体型も含めですが)。
これをアメリカントリコロールと呼んだりします。




本来星条旗の青は紺ですが、業界的にはアメリカントリコロールは明るい青で表現されます。
これは青・赤・白のカラーを使っていれば容易に成立するものでもありません。
面積のバランスや配置が重要です。
全く同じカラーをバランスや配置を変えてみると↓の画像のようになりました。





極端ではありますが、極東アジア感がありませんか?
少なくともアメリカを想起するものではなくなりました。
アメリカントリコロールが成立するには、構成も大事という事ですね。


そうそう青・赤・白と言えば、もう一つトリコロールがあります。
それがフレンチトリコロールです。

アメリカントリコロールと同じバランスに出来ませんでした・・・。


が、いかがでしょう?何となくおフランスの感じじゃないですか?
マリンテイストというか洗練された雰囲気が感じられます。
アメリカンはヤンチャっぽさがあるようにも感じます。


このように同じ色使いを真似てみようと思っても、バランスやほんの少しの濃淡の違いで、狙い通りにいかない場合もあるという事です。


因みに米国大統領の大一番のコーディネートは、紺のスーツに白いシャツに赤いネクタイ。
なぜかフレンチトリコロールなのですが、彼らは出来るだけ紺の中でも青味の強いスーツを選んだり、ネクタイの赤をほんの少しピンクっぽくしたりして、不思議なのですがアメリカ感をしっかり出しています。


ここまで来るとマニアックすぎて、私には解説しきれません。


こんなエピソードがあります。
現時点では大統領ではなくなってしまいましたが、ドナルドトランプさんはブリオーニ(イタリア)のスーツを好んであつらえていたようです。
ブリオーニのトランプさんを担当していた方が、大統領選挙間近に来店したトランプさんにこういったそうです。
「Mr.トランプ、私は貴方に投票できません。」
それを聞いたトランプさんは「それでも私には貴方が必要だ。」と発言したとかしなかったとか。



これが本当だとしたら、どれだけの信頼を勝ち得ていたのでしょう。
これがプロだ!と言われている気がします。




以上です。


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